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シベリア~太平洋4千キロ - ロシアの石油を日本や中国へ輸出するために進む世界最長のパイプライン計画。この計画を、北緯43度のアムール湾岸に棲む〝幻の豹〟アムールヒョウに代わって追う NGO スタッフのブログ
by H-Gang
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<報道・ノート> 終着地はコズミノ湾?パイプライン企業社長がプーチン大統領へ報告(?)

2006年11月15日 (水)

  こんばんは野口 (FoE Japan) です。FoE Japan オフィスのある池袋では今日夕方からバシャバシャと雨が降り出しました。

  さてシベリア-太平洋(石油)パイプラインの終着地の件ですが、「いよいよコズミノ(※)に決定か?」 「実はもうとっくにコズミノに決まってるの (^-^:)?」と思わせてくれる (≒期待させてくれる≒ぬか喜びさせてくれる) ニュースがまたひとつあったのでお伝えします。

※ このブログではこれまで 「コズミナ湾」 と表記してきましたが、これからは 「コズミノ湾」 と表記してみようかなと思います。ちなみに、英語アルファベットでは Kozmino (bay) と表記される場合が多いです。

  今日 (11月14日) ロシア紙「コメルサント」の英文ウェブサイトに掲載された記事によれば、11月13日、プーチン大統領がトランスネフチ社 (ロシア国営パイプライン企業) のワインシュトク社長と会談したようです。そしてこの記事は、会見の中でワインシュトク社長がプーチン大統領にこのように述べた(報告した)と書いています。

“Moreover, we are actively working in the eastern direction,” Vainshtok proceeded meaning the Eastern Siberia-the Pacific Ocean pipeline. “In April, we will set to constructing an oil port on the Pacific coast, in Kozmino bay. We see no grounds for failure,”

<野口 訳、参考まで>
"さらに私達 (トランスネフチ社) は東方でも活発に事業を進めております" とワインシュトク氏はシベリア-太平洋パイプライン(計画)にも言及した。"(来年の=2007年の) 4月には太平洋岸で石油輸出港の建設を開始します (← 未来系で言ってます)。これをコズミノ湾で行います。失敗する根拠は、見当たりません (とワインシュトク氏は大統領に語った)"

  このコメルサント紙の記事の全文は、同紙のウェブサイトでご覧下さい。(下記URL部分をクリックすれば、記事の出ているページへジャンプ出来ます)

  KOMMERSANT Nov. 14, 2006
  ● Transneft to Scatter Far and Wide
  http://www.kommersant.com/p721339/Pipeline_extension

  本当の事が知りたいですね。WWF Japan や「野性動物保全論研究会」(JWCS)とも協力して、確かめたいです。

  プーチン大統領とトランスネフチ社のワインシュトク社長が11月13日に会った、というのは事実でしょう。
  けれど、「ペレボズナヤ湾が終着地になることはない」 「(ペレボズナヤ湾とは別の) この場所が終着地になる」 という正式な発表や回答があるまでは喜べないかな、と感じます。

・・・疑り深くてすみません(^-^;)

ひきつづき、アムール湾のアムールヒョウの眼で追っていきましょう。

NGOニンゲン、野口/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan
# by H-Gang | 2006-11-15 20:48 | <報道・ノート>

<ノート> やっぱりまだ決着してない?パイプライン終着地 - クリアすべき課題は環境・生態系保全?

2006年11月9日(木)

シンポジウム「ロシアのエネルギー戦略を問う」で傍聴&質問

  こんにちは野口 (国際環境NGO FoE Japan) です。池袋のFoE Japan新オフィスからこんばんは。

  今日の話は、シベリア-太平洋石油パイプラインの辿りつく太平洋岸の港(パイプライン終着地)はどうやらまだ決定していないみたいだ、という話。(〝今日の話は〟とか言って、このブログ毎回この話ばっかり追っているのですが)

  今日の午後、東京で「ロシアのエネルギー戦略を問う」と題したシンポジウムが開かれました。
  テーマのひとつがシベリア-太平洋石油パイプライン計画で、パネリストはロシアから招かれた石油企業「ロスネフチ」(※)の方だったので、パイプラインのルート・終着地に関して最新の状況が聞けるかもしれないと思い、傍聴者の一人として会場へ足を運びました。

 (シンポジウムのパネリスト、主催・共催等、このノートの最後に書き出しておきます)

※ ロスネフチ社はロシア政府が最大株主となっているロシアの石油企業。シベリア-太平洋石油パイプライン計画への同社の関わりは、パイプラインで輸送されることになる石油の採掘・油田開発や、輸出石油の精製等。
  パイプラインの敷設や終着地の選択を行う「トランスネフチ社」とは別の会社ですから、終着地の選択にまつわる環境問題の責任者ではないわけですが、パイプラインルートや終着地の選択はロスネフチのビジネス・利益に関わるため、最新動向を掴んでいると見て良いでしょう。

  会場で配布された資料や地図を見ると、パイプライン終着地としてペレボズナヤ湾の名前が記されていたりしましたが、あくまで暫定的なプレゼン資料のように見えました。
  また、パネリストさんの発表でも、シベリア-太平洋石油パイプラインの太平洋岸終着地がどこになるかという点については特に言及がなされなかったので、会場で配布された質問用紙に「パイプラインの太平洋岸終着地はどこの港になるのでしょうか?」「終着地が決まるのがこれからだとすれば、いつ、どのような形で決まるのでしょうか?」と書いてコメントをお願いしてみました。

  これに対してロスネフチ社の方(戦略・海外プロジェクト局 次長のワレリー・ルサコフさん)が、「自分はトランスネフチ社の人間ではありませんから、そのご質問に的確に答えられる者ではないのじゃないかと思いますが」と断った上で、次の三点を述べられました。(質問の「いつ、どのような形で決まりますか」という部分は省略され、パネリストの方に訊ねてもらえませんでした)

○シベリア-太平洋石油パイプラインの太平洋岸終着地(ターミナル)は、未だ決定していない
○終着地の決定に時間がかかっているのは、まさにエコロジー的な課題のためである。エコロジー面の課題をクリアーした上で、終着地を決定する必要があるからである
○目下、このパイプライン終着地の、エコロジー面の課題のクリアーに向けて検討が行われている

  というわけルサコフさんは「ペレボズナヤ湾に決定している」とも「コズミナ湾に決定している」とも言いませんでした。彼は「パイプライン終着地はまだ決定していない」と答えたのです。

  ちなみに、もう一人のパネリストとして出席していたロシアのエネルギー業界雑誌の編集長、ミハイル・クルチーヒンさんが別の問題に関してされていた発言の中でシベリア-太平洋石油パイプライン終着地として用いていた地名は、コズミナ湾でした。

  というわけで、今日のシンポジウムで聞くことの出来た話から判断すると、ペレボズナヤ湾に近接するアムールヒョウ達の生息地はまだ、石油輸出ターミナルの建設地になるとも、ならないとも、どちらとも決まっていないようだ、ということになるでしょう。
  だから、アムールヒョウと人間の未来・共存は、あきらめるのも喜ぶのもどちらもまだ早い、ということでしょう。

ひきつづき、アムール湾のアムールヒョウの眼で追ってみましょう。

野口 栄一郎/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan)

  このシンポジウムの様子は今週土曜日の毎日新聞紙面で伝えられるそうです。以下、シンポジウムの題やパネリストの氏名、主催・共催など書き出しておきます。

日本対外文化協会創立40周年記念シンポジウム
「ロシアのエネルギー戦略を問う」

2006年11月9日(木)午後1~4時 於 霞ヶ関ビル1階プラザホール

<パネリスト>
●ワレリー・ルサコフさん(33歳)、ロシア石油企業「ロスネフチ」戦略・海外プロジェクト局次長
●ミハイル・クルチーヒンさん(59歳)、「ロスエネルギー」誌編集長 兼 アナリスト
●本村 真澄さん(56歳)、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 主席研究員

<司会>
●飯島一孝さん、毎日新聞外信部 編集委員

<主催・協賛>
主催 毎日新聞社 日本対外文化協会
協賛 ㈱望月薬局 ㈱ナカヨ通信機

  今日のシンポジウムは、配布資料も少なく、今風のプレゼンテーション等もないシンプルなものでしたが、会場は満員で、パネリストさんも会場の皆さんも非常に真剣な様子でした。
  パイプライン終着地に関する質問をルサコフさんに訊ねて下さった司会の飯島さんや、立場上答え辛そうな質問に誠意を持って答えて下さったルサコフさんに感謝します。通訳のお二人もお疲れ様でした。
# by H-Gang | 2006-11-09 20:31 | <ノート>

<報道・ノート> 二層の流れ

こんにちは。野口 (FoE Japan) です。

  シベリア-太平洋(石油)パイプライン計画の終着地はどこになるのか?
それが、豹たち(アムールヒョウ)と人間の将来に関わることで、僕らの知りたがっていることです。

  用心深く考えると、シベリア-太平洋(石油)パイプラインの終着地の選択肢/可能性は(2006年11月の現在も依然として)この三つ(①~③)です。

  ① ペレボズナヤ湾 (アムールヒョウ生息地に近接する)
  ② コズミナ湾 (アムールヒョウ生息地から十分距離が離れていて、環境NGO等も支持)
  ③ ペレボズナヤ湾でもコズミナ湾でもない第三、第四の選択肢/場所

10月の初めに話したあるロシア人の語っていたことを思い出します。
  「パイプラインの終着地は、もうコズミナ湾になると考えてもいいんじゃないですか?」 と言ってみたら彼はこう答えました。「たしかに、今年に入ってコズミナ湾へのターミナル建造を念頭に置いた調査や分析が行われている。だから、実際の作業のレベルを見れば "コズミナ湾が終着地になる方向へ向かっている" と言うことは出来る。しかし政府の公式なレベルでは、シベリア-太平洋(石油)パイプライン計画の終着地はまだペレボズナヤ湾のままだし、その変更が決定・発表されそうだという話もまだない。だから、まだ "コズミナに決定した" ということも出来ないよ。ロシアでは最後の最後まで何が起きてもおかしくないからね」

  流れが二層になっているというか、安心はまだ出来ないという話でしたが、きのう9月~10月の記事を眺めていたらシンガポールの 「eNavitas News & Analysis」というエネルギー産業の情報サイト(http://www.enavitas.com) に10月12日付でこんなニュース(英文)があったのが目に入りました。

New Oil Pipeline to Turn Russian Far East Port into Major Industrial Centre (≒ 新パイプラインがロシア極東の港を工業の主要拠点に変える)
2006-10-12 BBC Monitoring Former Soviet Union
Text of report by Russian news agency ITAR-TASS (タス通信)

(記事の本文はこのURLの部分をクリックして頂ければご覧になれます)
http://directory.enavitas.com/news/fullstory.asp?story_id=99073596

この記事に書かれていることを整理すると、こうです;
◇ コズミナ(湾)での沿岸石油輸出施設を建造に向けて設置された委員会がある
◇ その委員会(委員会の名称は特に書かれていません)の委員長はナホトカ市第一副市長?のアレクサンドル・コステンコ氏
◇ この委員会が10月12日にナホトカ市で会議を行い、次のことを発表した:
  - コズミナがシベリア-太平洋(石油)パイプラインの石油(※1)が鉄道から積み下ろされる(※2)地点となる
  - そしてコズミナが、シベリア-太平洋(石油)パイプラインの石油の貯蔵施設や精錬施設、そして30万トン級の石油タンカーを係留して石油の積み込みを行うターミナルとなる

  そしてこの記事は、「このロシア極東の港(=コズミナ)は、年間3,000万トンの石油を世界へ輸出する一大石油輸出拠点となるだろう」と結んでいます。

ということは・・・やっぱり、パイプライン終着地はコズミナ?

  しかし、まだ用心してまだしばらくアムール湾のアムールヒョウ達の眼で追ってみます。

野口 栄一郎/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan

※1  西シベリアや東シベリア、サハ共和国を産地とする石油がシベリア-太平洋(石油)パイプラインで輸送されると言われている

※2  パイプライン計画の第一段階では、パイプラインは東シベリアのタイシェトから中露国境に近いスコヴォロディノ(スコボロジノ)まで敷設され、スコヴォロディノから太平洋岸までの石油の輸送は鉄道で行われると言われている。(計画第二段階で、スコヴォロディノ-太平洋岸の区間にもパイプラインが敷かれると言われている)
# by H-Gang | 2006-11-01 18:00 | <報道・ノート>

<ご挨拶> このブログ、もう少し続けます

こんばんは。前回の投稿から59日ぶりに、ここ(このブログ)へやってきました、 FoE Japan の野口です。ハロウィンの今宵、皆さんはいかがお過ごしですか。(僕は、あまりに久しぶりで、このブログの操作も思い出せないほどですが、また慣れようと思います)

基本に戻ります。
シベリア-太平洋(石油)パイプライン計画の太平洋側終着地がどの場所になるのか?
アムールヒョウの生息地は回避されるのか?
そして、豹達と人間は共存できるか?
また、アムール湾のアムールヒョウの眼で追ってみたいと思います。

<すでに、豹の危機は去ったの?>

ロシアや海外の報道機関や一部の環境NGOのウェブサイトなどをチェックしていると、すでにヒョウの危機は去ったの?といった印象も受けます。
7月末頃から 「パイプラインの終着地(ターミナル)はペレボズナヤ湾からコズミナ湾へ変更されることが決まった」 というような内容の報道・ニュースが出ているからです。

しかし・・・僕は 「なんでもいっぺん疑ってみよ」「ヒトの話をあまりカンタンに信じてはいかん」 と、ある人から何度も教えられたので、しつこく追ってみようと思います。

「このモンダイもう解決してるんじゃないの?」「ここから先はわざわざ追うことないんじゃないの?」と言われる方もいらっしゃるかもしれないですね。でも、僕は物分りが悪いので(笑)もうしばらくやってみます(^-^)

野口 栄一郎/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan)

今日、訪問者数のカウンターを見たら、この春にこのブログを立ち上げてから訪れて下さった方が900名を超えていてびっくりしました。僕が離れていて、全く情報をアップしていなかった9月と10月のあいだも、情報を求めてここを見に来られていた方がいらしたと知り、恐縮です。ふた月もお役に立たずすみませんでした。
# by H-Gang | 2006-10-31 19:49

<ご挨拶> 10月の写真展へ向けて

こんにちは、野口 (国際環境NGO FoE Japan/エフ・オー・イー・ジャパン) です。このブログを訪れて頂いてどうもありがとうございます。スパシーバ(^-^)

このブログ、7~8月は僕がずっと出かけていたこともあり、ごく稀にしか更新しなかったのに、見にきて下さっている方がいらっしゃるようで、だんだんアムールヒョウを好きな人が多くなってきたのかなーと思います。(このブログの内容自体は今のところアムールヒョウそのものについての話よりも、アムールヒョウの棲む自然保護区を脅かすパイプライン計画の話を中心に続けてきているので、「アムールヒョウっていう動物のことが知りたい」という方の期待にはあまり応えられてないなー、と自分でも思ってます)
<ご挨拶> 10月の写真展へ向けて_b0077562_9551724.jpg
アムールヒョウのことを知りたい方のために、このブログとは違う場所・方法で何かやれないかなーと思っていたら、FoE Japan と野生動物保全論研究会(JWCS)の皆さんで「アムールヒョウの写真展を開こう」という話になって、10月2日~10月16日「丸の内さえずり館」というスペースで開催することになりました。

写真展の話が決まった途端、不思議というか自然というとか、様々な想いをもつ方々との出会いがあって FoE Japan のスタッフもワクワク興奮気味です。

ワクワク興奮気味の時こそ、自分の中に基本を呼び起こしたいです。

僕らに「基本」をくれたのは、1995年、ケドロバヤ・パジ自然保護区で僕らを迎えて、豹の棲む森を一緒に歩いてくれたシブネフさん。ゴム長靴を履いたアムールヒョウ研究家、このページのアムールヒョウの写真を撮ったユーリー・シブネフさんです。

1996年5月に、シブネフさんと写った写真です。<ご挨拶> 10月の写真展へ向けて_b0077562_94958.jpg

他所の国から来たこんな小僧に、シブネフさんは森で「レオパルド」(豹)と会った時のことを楽しそうに話してくれて、そして、何が豹を脅かしているか、豹の棲める自然を護るには何が必要か、教えてくれました。それを少しでも見せられるような写真展、催しに出来ればと思うのですが。

今度はシブネフさんとアムールヒョウに、こちらから何かお返しをしたいです。何が出来るかな。

野口 栄一郎/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan)
# by H-Gang | 2006-09-01 09:49