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シベリア~太平洋4千キロ - ロシアの石油を日本や中国へ輸出するために進む世界最長のパイプライン計画。この計画を、北緯43度のアムール湾岸に棲む〝幻の豹〟アムールヒョウに代わって追う NGO スタッフのブログ
by H-Gang
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<ノート> やっぱりまだ決着してない?パイプライン終着地 - クリアすべき課題は環境・生態系保全?

2006年11月9日(木)

シンポジウム「ロシアのエネルギー戦略を問う」で傍聴&質問

  こんにちは野口 (国際環境NGO FoE Japan) です。池袋のFoE Japan新オフィスからこんばんは。

  今日の話は、シベリア-太平洋石油パイプラインの辿りつく太平洋岸の港(パイプライン終着地)はどうやらまだ決定していないみたいだ、という話。(〝今日の話は〟とか言って、このブログ毎回この話ばっかり追っているのですが)

  今日の午後、東京で「ロシアのエネルギー戦略を問う」と題したシンポジウムが開かれました。
  テーマのひとつがシベリア-太平洋石油パイプライン計画で、パネリストはロシアから招かれた石油企業「ロスネフチ」(※)の方だったので、パイプラインのルート・終着地に関して最新の状況が聞けるかもしれないと思い、傍聴者の一人として会場へ足を運びました。

 (シンポジウムのパネリスト、主催・共催等、このノートの最後に書き出しておきます)

※ ロスネフチ社はロシア政府が最大株主となっているロシアの石油企業。シベリア-太平洋石油パイプライン計画への同社の関わりは、パイプラインで輸送されることになる石油の採掘・油田開発や、輸出石油の精製等。
  パイプラインの敷設や終着地の選択を行う「トランスネフチ社」とは別の会社ですから、終着地の選択にまつわる環境問題の責任者ではないわけですが、パイプラインルートや終着地の選択はロスネフチのビジネス・利益に関わるため、最新動向を掴んでいると見て良いでしょう。

  会場で配布された資料や地図を見ると、パイプライン終着地としてペレボズナヤ湾の名前が記されていたりしましたが、あくまで暫定的なプレゼン資料のように見えました。
  また、パネリストさんの発表でも、シベリア-太平洋石油パイプラインの太平洋岸終着地がどこになるかという点については特に言及がなされなかったので、会場で配布された質問用紙に「パイプラインの太平洋岸終着地はどこの港になるのでしょうか?」「終着地が決まるのがこれからだとすれば、いつ、どのような形で決まるのでしょうか?」と書いてコメントをお願いしてみました。

  これに対してロスネフチ社の方(戦略・海外プロジェクト局 次長のワレリー・ルサコフさん)が、「自分はトランスネフチ社の人間ではありませんから、そのご質問に的確に答えられる者ではないのじゃないかと思いますが」と断った上で、次の三点を述べられました。(質問の「いつ、どのような形で決まりますか」という部分は省略され、パネリストの方に訊ねてもらえませんでした)

○シベリア-太平洋石油パイプラインの太平洋岸終着地(ターミナル)は、未だ決定していない
○終着地の決定に時間がかかっているのは、まさにエコロジー的な課題のためである。エコロジー面の課題をクリアーした上で、終着地を決定する必要があるからである
○目下、このパイプライン終着地の、エコロジー面の課題のクリアーに向けて検討が行われている

  というわけルサコフさんは「ペレボズナヤ湾に決定している」とも「コズミナ湾に決定している」とも言いませんでした。彼は「パイプライン終着地はまだ決定していない」と答えたのです。

  ちなみに、もう一人のパネリストとして出席していたロシアのエネルギー業界雑誌の編集長、ミハイル・クルチーヒンさんが別の問題に関してされていた発言の中でシベリア-太平洋石油パイプライン終着地として用いていた地名は、コズミナ湾でした。

  というわけで、今日のシンポジウムで聞くことの出来た話から判断すると、ペレボズナヤ湾に近接するアムールヒョウ達の生息地はまだ、石油輸出ターミナルの建設地になるとも、ならないとも、どちらとも決まっていないようだ、ということになるでしょう。
  だから、アムールヒョウと人間の未来・共存は、あきらめるのも喜ぶのもどちらもまだ早い、ということでしょう。

ひきつづき、アムール湾のアムールヒョウの眼で追ってみましょう。

野口 栄一郎/EIICHIRO NOGUCHI (FoE Japan)

  このシンポジウムの様子は今週土曜日の毎日新聞紙面で伝えられるそうです。以下、シンポジウムの題やパネリストの氏名、主催・共催など書き出しておきます。

日本対外文化協会創立40周年記念シンポジウム
「ロシアのエネルギー戦略を問う」

2006年11月9日(木)午後1~4時 於 霞ヶ関ビル1階プラザホール

<パネリスト>
●ワレリー・ルサコフさん(33歳)、ロシア石油企業「ロスネフチ」戦略・海外プロジェクト局次長
●ミハイル・クルチーヒンさん(59歳)、「ロスエネルギー」誌編集長 兼 アナリスト
●本村 真澄さん(56歳)、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC) 主席研究員

<司会>
●飯島一孝さん、毎日新聞外信部 編集委員

<主催・協賛>
主催 毎日新聞社 日本対外文化協会
協賛 ㈱望月薬局 ㈱ナカヨ通信機

  今日のシンポジウムは、配布資料も少なく、今風のプレゼンテーション等もないシンプルなものでしたが、会場は満員で、パネリストさんも会場の皆さんも非常に真剣な様子でした。
  パイプライン終着地に関する質問をルサコフさんに訊ねて下さった司会の飯島さんや、立場上答え辛そうな質問に誠意を持って答えて下さったルサコフさんに感謝します。通訳のお二人もお疲れ様でした。
by H-Gang | 2006-11-09 20:31 | <ノート>
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